負けるが勝ち(価値)

まったくもってして、人生とは上手く流れないものだ。
東日本大震災以降数ヶ月、仕事量が激減して資金不足に陥ってしまったが
なんとか私財を投入して会社解散は免れ、「ほっ・・。」と矢先
今度は、爆発的な仕事量に耐え切れず、スタッフが一人退社してしまった。
設計業務とは、担当者各位の設計能力の高さが重要に思われがちだが
実は、そうではない。
設計能力とは時間さえかければ誰もが身に付けることができるからだ。
辞めてしまったスタッフは、ほぼ10年選手。
設計能力は高く、これまでにも数々の現場をこなしてきた。
ただ・・・・その次のステージに進むことがここ数年できずにいた。
僕は彼が次のステージ進む為に、7月から完全に一現場を任せることにした。
これまでは、基本設計は僕が考えそれを展開させて進めてきたが
それを止めて、全てを任せてみた。
次に進んでもらいたかった・・・・・。
先月くらいから追い詰められてき始めているのには気付いていたが
静観しながらどう対処するのか見守ってきた。
結果、彼の心の糸は切れてしまった。
徹夜が続き、やってもやっても終わらない設計ループに嵌り込んでしまったからだ。
僕は、これまで彼には設計についてかなり教え込み
それなりに高いレベルまで到達していると思ってた。
実際に設計能力は高い。
しかし・・・・大切なものを教え忘れていたことに気が付いた。
それは、「分解再生能力」
一つの物件内に絡みあう業者間の縺れた糸を紐解き
自分の考えを貫き、お客様にもっとも有利な製品設計をする為の能力だ。
人の意見は十人十色、一人一人の希望を全て満たすことは決してできない。
されど、Aさんが10個の要求をしてきても本当に求めているのは一つか二つ。
それを見抜かない限り、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん・・・・
みんなの要求を満たしたものは生まれてこない。
それには、数ある設計要求を一度分解し、必要な物だけを拾い出し
自分なりに再生しなければならない。
5人の10ある要求を全て盛り込んで50にしても意味はないし
そこには、自分の存在価値はない。
5人各位の意見を分解して各2/10としてまとめて「5」
ここに初めて自分の存在価値が生まれる。
当然お金も生まれる。
その能力こそ次のステージ進む為に必要なものなんだけど・・・。
教え忘れた。
って教えられるものでもないんだけどね、
こればっかりは。
多分、この能力を身に付ける一番いい手立ては、「負ける」ことだと思う。
「負けた」事と理由を充分自分で理解しない限り次に進むことはできない。
そう言った意味では、身体を鍛える事とまったく変わりない。
追い詰められて頑張って努力しても受身な為、
精神的強度はそれほど高くはならない
けれど、自分から新たなものに挑んで、躓き、苦しみ、理解した時の強度は高い。
う〜ん・・・・今回のブログは・・・硬すぎる!!
いかんな〜止めよう。
ってことで、
このところのハードスケジュールで
脳味噌がバキバキに固まってしまった自分の「おつむ」をほぐす意味で
今夜は今シーズン第二回目の「丸鱸釣り」に出撃します。
場所は当然「秋谷周辺」
狙いは80cmオーバー。おまけで「ヒラメ」が取れれば100点満点。