命の重さ

あれから一週間がたとうとしている。
やっと気持ちが落ちついて来たので、書ける・・・書こう。
今年に入り僕は自転車の朝錬の最中に車に跳ねられた。
幸い怪我も軽く、自転車もほぼ新品状態で帰ってきた。
事故の怖さから自転車に乗れない日々が数日あったが、
気持ちを切り替えて乗り始めた矢先の先週水曜日に事故は起きた。
僕の数少ない友達の一人と毘沙門を走っているときに
彼が対向車のトラックと接触事故を起こしてしまった。
僕が先頭を走り、彼が僕のスリップストリーム内に居る時に
突然の横風をくらい、車線の中央部に膨らんだ。
ちょうどその時
対向車が駐車車両を避けて中央線を越えてはみ出してきた。
・・・・・・。
僕は、その時後方でもの凄い音がするのを聞いてしまった
「ガシャガシャ○×△○×△ガシャガシャ!!!」
僕の心にシャッターが下りた。
自転車を止めた。
恐怖で数秒振り返ることができ無かった。
正気に戻り走り出し彼を見ると、道路に倒れていた。
「生きててくれ!!!」
僕が駆けつける長い長い数秒の間に
彼は這いずりながら路肩の芝生へ身を置いた。
僕は視界がにじみ、体が振るえた。
血だらけの彼に話しかけ意識のあることを確認し救急車と警察を呼んだ。
その後、病院にて長い長い検査と治療が施され、
命に別状が無い事が確認できた。
・・・・・・・。
それからの数日、体中の力が抜け落ちてしまい
気持ちもバラバラで過していた。
・・・・・・・。
このままではダメだ!
そう思い週末のヒラコサイクルの朝練に出てみたが
恐怖でペダルがいつものように回せない。
心拍も上がらないのに何てこと無いところで息が切れる。
・・・もう少し時間が必要なのかもしれない。
只、いくら時間が経過しても
あの音と真っ二つにちぎれたピナレロ
頭から離れる事は無いと思う。
・・・・・・・・。
自転車は素晴らしい乗り物であり
その最高峰がロードバイクだと思う。
しかし、反面、大きなリスクをともなってしまう
かなり危険な代物でもある
今年に入ってからの2回の事故で、骨身にしみた。
幸い今回は命を落す事は無かったが
自転車に乗り続ける限り、
隣にはいつも人生を閉じてしまう扉が開いている事を忘れてはならないと思う。
・・・・・・・。
これからも自転車に乗り続ける気なら
僕はもう少し、自分自身を見つめ直さなければならいと思う。